障害年金は、特定の病名なら絶対もらえるというものではなく、症状がどの程度で、労働(家事を含む)や日常の生活に支障が出ているかどうかという点から判断されます。

脳血管疾患による麻痺など肢体障害等のある方

事故・病気で車椅子、杖などを使っている方などで、日常生活における動作(つまむ・握る・タオルを絞る・ひもを結ぶ・さじで食事をする・顔を洗う・用便の処置をする・上衣の着脱・片足で立つ・歩く・立ち上がる・階段を上がる・階段を下りる など)の障害の程度によって受給できる可能性があります。

うつ病、統合失調症、発達障害等の精神疾患、高次脳機能障害、知的障害で働くのに制限のある方

精神の不調の場合、まず医師に確認してほしいのが「ICD-10」と呼ばれるコード番号です。精神の不調には似たような名前がたくさんあり、傷病名を明確にするためにICD-10コードを医師に聞いて対象となる疾病か否かを判断する必要があります。

十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のある方

てんかんは発作のタイプで次の4種類に分けられます。

発作のタイプ
A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作

てんかん発作のタイプ(A・B・C・D)と、てんかん発作の頻度(年間 回、月平均 回)を確認しましょう。

心臓疾患で労働(家事)や日常生活に支障がある方

弁疾患、心筋疾患、難治性不整脈、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)などで、労働(家事)や日常生活に支障がある方は、受給できる可能性があります。

血液・造血器疾患で労働(家事)や日常生活に支障がある方

赤血球系・造血不全疾患(再生不良性貧血、溶血性貧血等)、血栓・止血疾患(血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症等)、白血球系・造血器腫瘍疾患(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等)などで、労働(家事)や日常生活に支障がある方は、受給できる可能性があります。

肝疾患で労働(家事)や日常生活に支障がある方

次の2つ以上に該当する方で、労働(家事)や日常生活に支障がある方は、受給できる可能性があります。

  • 血清総ビリルビン(mg/dl)が2.0以上
  • 血清アルブミン(g/dl)(BCG法)が3.5以下
  • 血小板数(万/μl)が10未満
  • プロトロンビン時間(PT)(%)が70以下
  • 腹水がある
  • 脳症として、昏睡度Ⅰ以上(睡眠ー覚醒リズムに逆転。多幸気分ときに抑うつ状態。だらしなく、気にとめない態度)がある

腎疾患で労働(家事)や日常生活に支障がある方

糖尿病、慢性腎不全、ネフローゼ症候群などで、労働(家事)や日常生活に支障がある方は、受給できる可能性があります。

肺疾患で労働(家事)や日常生活に支障がある方

呼吸不全(「喘息+肺気腫(COPD)」、「喘息+肺線維症」含む)、慢性気管支喘息などで、労働(家事)や日常生活に支障がある方は、受給できる可能性があります。

がん(副作用も含む)で働くのに制限がある方

がんによる障害の程度は、組織所見とその悪性度、各種の検査成績、転移の有無、病状の経過と治療効果等を参考にして、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定されます。

がんによる障害は、次の3つの区分に分けられます。

  1. 喉頭がんでの喉頭全摘出手術や、直腸がんで人工肛門、骨肉腫で大腿から切断などの、悪性新生物そのもの(原発巣、転移巣を含む)によって生じる局所の障害
  2. がんで手術を繰り返したり、他の臓器に転移したりなど、悪性新生物そのもの(原発巣、転移巣を含む)による全身の衰弱または機能の障害
  3. 抗がん剤の副作用などの、悪性新生物に対する治療の効果として起こる全身衰弱または機能の障害

その他傷病名を問わず、入退院を繰り返して働くのに制限がある方

障害年金は、傷病名を問わず(神経症・人格障害は除く)、傷病の「程度」が障害等級に該当するか否かで判断されます。
上記のような傷病名でなくても、難病の方や、関節リウマチ、入退院を繰り返しているような傷病の方など、労働や日常生活に支障が生じている場合は、確認された方がよいでしょう。